2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

―夏の終わりに師について考える―

「師」というものがなんなのか。「師」というものについてのある特別な感情の抱き方について自分が思っていることは、役者と共有できていない(すべての役者とと言う意味ではまったくないけれど)。自分が理解できていないことが役者と共有できていない、と…

駈込み訴え

小説の特異性というものは存在して、あ、特異性というより、やはりジャンルに特有の武器というものを最大限に生かされた作品というものがあって、それが「駈込み訴え」なのだなぁ、といまさら当たり前の発見をしているのである。「駈込み訴え」の朗読という…

小火(ぼや)とか

昨日稽古後の帰り道、最寄り駅から自宅への道が封鎖されていた。どうも近所の焼肉屋でボヤ騒ぎが起きたようである。ちょっと遠回りして帰らなければならず気だるくなる。周りにいた野次馬の方々が、まるで花火を見物しているかのような格好であった。鳥居み…

松尾スズキと「黒いオルフェ」

松尾スズキに特異な台詞術(過剰な会話の文体)はいったいどういう欲望に基づいているのか、というのはなににつけ気になる疑問であったのだけれど、松尾スズキの『宗教が往く』を読んでいて一つの可能性に気づいた。松尾スズキさんは「すべてに落とし前をつ…

koegadenai,,,,,,

今日は稽古を中止にしてしまった。役者の方々には大変申し訳ない。すまない思いで一杯である。まぁ、といいながら、できることといえば、本を読むことだったり、台本を書くことだったりするので少しずつ進める。 津村節子『智恵子飛ぶ』を三読目(たぶん)。…

雑記ツー

<隣><部屋><女>をキーワードにこのブログに到着した方がいるようだ。検索したときの欲望をわがブログは満足させられたのだろうか。まぁ、わが能力ではすこし難しいだろう。残念である。風邪をひいたら声がほとんど出なくなった。稽古場で囁き声で駄目…

雑記

「崖の上のポニョ」みたいあと嫌いな食べ物を克服するために、違う食べ物の味付けで誤魔化すのは、あまり意味ないと思う。これは雑記というか、雑記ではないけれど、国語学者の大野晋さんが亡くなられたようである。「日本語練習帳」は読んだことはないのだ…

「肉体の門」と「阿部一族」

鈴木清順監督作品「肉体の門」を観る。生きてるなぁ、ひとが、生きている。それを成り立たしめているのは、俳優や脚本や音楽の力はそりゃあるのだろうが、断トツなのは美術ではないだろうか。なんていうのだろうか、あのリアリティ。実際にはないのだけれど…

隣の部屋から聞こえてくるのは

隣の部屋から聞こえてくるのは、男たちの叫び声でも女たちの嬌声でもなく、熟年の方々のカラオケ稽古の声であった。今日の稽古場の話である。彼ら彼女が最後に唄っておられた曲が気になる。と、役者のひとりが聞いてくださった。秋元順子の「愛のままで」と…

「傷ついたほうが偉いと思ってる/人はあっちへ行って下さい」

枡野浩一の『石川くん』を読む。石川くんとは石川啄木のことであーる。枡野版「ひざまくらしてもらいつつ/俺がふと考えるのは/自分のことだ」(原文:「その膝に枕しつつも/我がこころ/思ひしはみな我のことなり」)楽しくって短時間で読み終わってしま…

稽古が始まっています。

三回ほど稽古をいたしました。ぼちぼち進んでいこうと思います。とりあえずは三本のうち、主に坂口安吾「霓博士の廃頽」からやっております。わりとうまく進んでいるんぢゃないかと、演出家は気楽な部分でそう思っています。今回の目標は「鋭く図式化せよ!…