koegadenai,,,,,,

今日は稽古を中止にしてしまった。役者の方々には大変申し訳ない。すまない思いで一杯である。

まぁ、といいながら、できることといえば、本を読むことだったり、台本を書くことだったりするので少しずつ進める。
津村節子『智恵子飛ぶ』を三読目(たぶん)。三度目にしても新鮮である。常に疎かにしてしまっていたり、忘れてしまったりしている感覚が蘇ってくる。細胞のひとつひとつが息をし始めるかのようである。

狂った智恵子は口をきかない/ただ尾長や千鳥と相図する
防風林の丘つづき/いちめんの松の花粉は黄いろく流れ
五月晴の風に九十九里の浜はけむる/智恵子の浴衣が松にかくれ又あらはれ
白い砂には松露がある/わたしは松露をひろげながら
ゆつくり智恵子のあとをおふ/尾長や千鳥が智恵子の友だち
もう人間であることをやめた智恵子に/恐ろしくきれいな朝の天空は絶好の遊歩場
智恵子飛ぶ
(風にのる智恵子)高村光太郎