「源平布引滝」

文楽十二月公演「源平布引滝」を観に行った。舞台のギミックといおうか、エンターテイメント部分は少なめで、しかしながら、恐ろしいぐらいの力量・熱量を発する物語内部にある人間関係のその奥行き。子供の無邪気なあだ討ちと、そのあとの戦争ごっこは凄すぎる。物語自体があまりに多くのものを抱え込みすぎていて内部破壊を起こしているのではないかとさえ思われるが、でもそれが、絶妙といおうか、もうなんともいうべきことばを持たない。