物干し竿

家に帰宅して、微妙な違和感に襲われる。いや、別に襲われてはいない。微妙な違和感に苛まれる。いや、苛まれちゃいない、し、別に微妙な違和感というべきものでもない。とか書いてると前に進まないので、どうにもしっくりとこないなぁ、なんていう感覚がへばりついてきた、ということにしておこう。そういえば、朝に今日はいい天気だなぁと思って、洗濯物を干していたんだ!と気づいて、洗濯物洗濯物と、床に散乱している本やらなんやらをどかしながら進んでいくと、洗濯物がない。窓を開けて空を見上げると東京の夜空。「東京の空ってこんなに広かったんだぁ」とかいっているまもなく、またまたふつふつとなにかがおかしくないかい?と僕の中の誰かがつぶやく。そう、洗濯物がない。だけでなく、あれま、物干し竿がないでやんの。きょろきょろと探してみると、隣のマンションの広場(?)に落下している。ぎゃ、といったかいわないか、下に駆け出す、こともせずに、呆然と眺める。いや、別に呆然としちゃいない。ただ、あぁ、落ちてる。と思ってみる。取りに行かないといけないな、と。東京の空が広かったのは、物干し竿がなかったからだった。