新国立、三島由紀夫

先日、新国立に三島由紀夫の近代能楽集を観に行った。「綾の鼓」と「弱法師」それぞれ演出家が違い、両作もちろんいろは違う。そして考えたことも違った。
前田司朗演出の「綾の鼓」はあまりに古い。古いというのはおそらく演技のしかたである。たしかにまんなかの役者は上手いのだが、小器用すぎる。台詞をあまりにすらすらとうまいこと読んでいて、大衆演劇くさい(大衆演劇ということばは安易に使っている)。おそらく三島由紀夫の作品を大衆演劇くさくやるのは演出家が意図していればそれはそれで向かうべき方向はある気がするが、今作ではよく分からなかった。前田司朗の色というか特徴は、回りの人々のコミカルさにうまく表現されていたが、その演出が作品にどう影響しているのか疑問。

弱法師は後日。

エラソーに書きつつ、二作とも結構満足。とても難しい戯曲をあるクオリティで上演できているということは素晴らしいことだと思う。
負けじと頑張ります。