引退試合

佐々岡が引退した。今日は、広島市民球場にて佐々岡の引退試合であった。小さいころから当たり前のように活躍していた人間が、なにかしらの終わりを迎えるというのはひどく、自分自身のなにかしらが損なわれていくような感じである。それは、安易なノスタルジーに浸れなくなるということでもある。いや、安易なノスタルジーの始まりなのかもしれない。別にこんなシリアス調に書く必要もない。

されば朝には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり。すでに無常の風きたりぬれば、すなはちふたつのまなこたちまちに閉ぢ、ひとつの息ながくたえぬれば、紅顔むなしく変じて桃李のよそほひを失ひぬるときは、六親眷属あつまりてなげきかなしめども、さらにその甲斐あるべからず。さてしもあるべきことならねばとて、野外におくりて夜半の煙となしはてぬれば、ただ白骨のみぞのこれり。あはれといふもなかなかおろかなり。
蓮如「白骨集」