スンバラシ!

かもめ食堂』をみる。小林聡美片桐はいりもたいまさこ、三氏のスンバラシイ佇まい。おにぎりを食べているシーンで否応もなく涙を流してしまう。こんなにも世界は素敵なのかと、思わされてしまう映画だ。ちくしょー。そんなこと思ってしまう自分が、非常に口惜しい。小学校の先生が「スンバラシ!」といっていたのを思い出す。映画を見ながら、高校時代の教師が「コンビニで<手作りおにぎり>とクレジットされた弁当があったんですけど、手作りより機械で作ってくれたほうが清潔感ありますよね」といっていたのを思い出す。まあ半ば冗談だった発言ではあるが、思い出す。顔を知らないもの同士の共同体というものが、不明瞭な信頼において成り立っているとして、そこでの清潔感とは何か。おにぎりとは清潔である必要とするのか。信頼とは清潔であることが必要なの?とな。遠足に行って、山に登って、土まみれになった手で、おにぎりをほおばった小学生時代。遥か遠くに来た。来てしまった。