「コネマラの骸骨」

マーティン・マクドナー「コネマラの骸骨」を観た。演劇集団円の森新太郎演出。面白かった。昨年の「孤独から一番遠い場所」という作・鄭義信の森演出に非常に感動・感銘したため、楽しみにしていたのだ。珍しく一ヶ月以上前から予約していた。期待に違わず面白かった。森新太郎という演出家の実力が舞台ににじみ出ており、なにより役者が輝いている。感情の起伏・タイムコントロール、役者に求められている技術を役者たちがしっかりとこなし、大胆な演技のときにも微細な動き・情緒のあり方にしっかりと気が配られている。森さんの演出は、舞台上にあるものすべてに隙がなくて、ほんとに観ていて楽しい。そうしてなによりも、二作品観て思ったことは、「感情をコントロールできない中途半端な、心と体が一致していない情緒のあり方」を描くのがとてもうまいということだ。それは、繰り返すが、役者・演出家がともに感情の起伏とタイムコントロールを行っているからこそ、できることなのだと、強く思う。面白い芝居を観ると、ほんと、楽しい。(ちなみに、「コネマラの骸骨」という作品はブラックコメディ(といわれている)であって、「楽しい」と一概にいってしまってはいけないのであるが、ここでの「楽しい」とは、舞台をみる「楽しさ」ということです。)