問題は鍵括弧にあり。

ディラードという作家が、「書くということは、そもそも説明できないことを発見することなんだ」と書いている。

と前の記事に書いたのだが、先日国文学の人間からそれはモダン以後だよね、と言われる。野家啓一だかの読みかけの本に、近代小説は『若きウェルテルの悩み』における手紙という媒体による自己告白に始まる、とあった。つまり、手紙という手段を用いることで、嘘偽らない登場人物の真っさらな内面が発見されたことが近代小説の発端だということだ。語ること、書くこと、読むこと、書かれた文字と内に響く音、自意識との闘争。鍵括弧付き感情への闘争と、からの逃走。
マトマラナイノデ箇条書いたが、順をおって考えよう。世界に追い付け、オレ